18章18章 【勢力】 EM蒼炎から簡単に今までの経緯を説明して貰った僕らは 今後重要となってくる敵の情報をさらに教えて貰っていた 簡単にまとめると ・敵勢力:EMガイナス率いるガイナス派EMと【イヴィル】 ・味方勢力:対抗組織【コレクト】 となっている 敵勢力であるガイナス派と呼ばれるEMは現在13名であり 厳密に言うと、先日倒したEM黒虹、EMファンキーを引いて残りは11名である それに【コレクト】の独自調査によると、【イヴィル】の他にも 一部のプレイヤーがガイナス派に加担しているという情報を掴んでいる 味方勢力にはEM蒼炎、EM緑魔を含むEMが全部で7名居る 一部の【コレクト】メンバーである社員もゲーム内でプレイヤーとして 密かに紛れ込んで諜報活動をしているとの事 つまりどちらの勢力も【EM】と【プレイヤー】の混合組織である お互いうまく隠密できており プレイヤー側の情報は漏れていない 下手に手を打とうものなら、相手に返り討ちに遭いかねない ゲーム内であるにも関わらず何故双方が慎重になるかと言うと そこにもやはり理由がある ひとつは、ゲーム内でしか操作できないコンテンツ・データがある事 主にそのデータに介入できる人物は、EMやCEM、それとGMである (GMとはゲームマスターの略であり、ゲーム内の警察のようなもの) 対象の人物達はその権限がキャラクターに付与されている訳だが それぞれのキャラクターは唯一固体である為、万が一倒されてしまったような場合 権限がキャラクターから破棄されてしまうらしい キャラクター自体も権限を持つ為の専用のステータス等を上乗せしている為 その分のペナルティーも、上乗せ分を剥がされるという形で受けてしまう つまりEM・CEM・GMはゲーム内で死亡した場合 一般プレイヤーのキャラクターと同じかそれ以下になってしまうという事だ 勿論EMは一般のプレイヤーキャラクターと違い 1ランクも2ランクも上の能力等を所持している 死亡時はそれも消滅する為弱くなってしまう訳である つまり下手に動いて倒されては元も子もないのだ もうひとつは外部との連携関係である 敵味方問わず、基本的には同じ会社の社員であるからして 現在EMは総動員でゲーム内に居るらしいが もちろんどちらの勢力の人間も外部からサポートを受けている 【コレクト】側の人間は、ガイナスの思惑が確実に判らないうちは 外部メディア・警察等に知らせた所で解決に至らない可能性がある ガイナスの思惑を掴んでしまえば、裏づけをして公表し 確実にガイナスの思惑を潰す事ができる その際に外部を通してこのゲームを強制シャットダウンすれば ゲーム内での活動をとめる事ができる ゲーム内でのお互いの静戦があると同時に ゲーム外でも沈黙なる戦いが成されているのである どちらも下手に動けばボロが出る、そして法律により裁きを受ける事となる 大人の事情と言えばいいのだろうか たかだか数日の出来事ではあるが それは極めて内容の深い争いである事が解る ________________________ ________________________ EM蒼炎から色々と敵についての知識を得た僕らは これから何をしようかと会議を開こうと思ったのだが 「まずは【CEMジグ=ヴェルディ】を 完全に復活させたいと思うんだけど、どうかな?」 と、EM蒼炎からの意見を受け 確かにそのほうがこれからを考えても有効だという事となり 僕らは【僕】の復活を行う事にした 復活といっても、僕は死んでいるわけではない (データなのでそもそも生きてすらいないが) つまりは僕の消された記憶や、権利・能力等を復元させるという事 それに、信用したといっても EM蒼炎達に対する疑念も少なからず心の奥に在る それを払拭する為という理由も含めて 僕らは・・・僕は。 僕を取り戻す事に決めた だが、それがどんなに大変な事なのかを 僕らはこれから痛感する事となった ~18章完~ 続きは→こちら← ホームへ戻る ジャンル別一覧
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